〜ザ・テラス 2022年3月 ストロベリーデザートブッフェ〜
私は今、いちごブッフェに向かっている。
いちごビュッフェに行きたいのか
難関の予約が取りたいのか
途中からどっちか分からなくなってきて
自問しては答えを探り続けた日々。
そんなにたくさん食べられなくてもいいのだ!
美術館に行くように、
イチゴと一流ホテルのシェフが奏でる芸術品を鑑賞するのだ!
って自分に言い聞かせつつ。
恵比寿にあるウェスティンホテル東京。ザ・テラス。
予約がとりにくいことで有名な平日限定デザートブッフェ。
その中でも特に人気の高いいちご。
3月吉日。前月2月に初めて行って、今回は2回目。
前回は扶養家族A (※コミュ障。追い追い詳述) と行った。
今回は母と。
ちなみに、ザ・テラスは
“ビュッフェ” ではなく
“ブッフェ” です。
“スイーツ” ではなく
“デザート” です。(公式 HP情報)
前日の電話予約で隣のラウンジ席と言われたが、
来てみたら早く来たせいかもしれないが、
正規の(?) 席に案内され、
ラッキーと思う気持ちと、
これでチョコレートブッフェに行く意味を半分以上失って
途方にくれる気持ちの狭間に立って呆然とする私。
(「端の方の席じゃなくて“ちゃんとした”席に座りたい!!」
という口実のもと、2ヶ月先のチョコブッフェの予約を確保していた。)
ドリンクはカプチーノ→ホットコーヒー→ほうじ茶→紅茶etc.と決めていた。
けど、予定変更。
カプチーノを頼む理由の6.5割はラテアートが見たいのであって、
母が意外にカフェラテを頼み、そこに意外被せで
カプチーノ様だけのものだと思っていたハートのラテアートがついてきたので、
これ以上乳脂肪分を摂る必要はないのだ。
ず~っと腕組みをしながらブッフェ台を見つめているシェフ発見。
やけに神妙な面持ち。あれが有名な鈴木シェフか。
季節ごとにいちご、チョコレート、抹茶、チーズ‥等
テーマを変えて星の数ほどのスイーツ、いやデザートを提供するザ・テラスだが、
必ずと言っていいほど、”なんちゃらのキャラメリゼ”が登場し、
あのブッフェ台のかなり位の高いポジションを陣取るようだ。
人はキャラメリゼに弱い。
どんな料理でも、困った時は焦がしておけば
とりあえずワンランク上にいった気がする。
私もこれまで2回行って2回ともキャラメリゼを取った。
当然と言えば当然のポジション。
ただ、ラテアートが見たくてカプチーノを頼むように、
キャラメリゼを取る者は皆、
スプーンであのザクザクのキャラメリゼを
そっとつつき割るあの感触を夢見ながら取るに違いない。
言っておく。その夢は叶わない。
ザクザクなんかない。むしろフワフワ。
ザ・テラスの初心者なら誰もが通るであろう道。
それが、キャラメリゼ・トラップ。
ここまで頑なに固くしない姿勢には、
もはや意地のようなものを感じる。
こだわり、を超えた意地。
これはもしかしたら
鈴木シェフからの膝かっくん
なのかもしれない。
2回目ともなれば、あのクロワッサンからあっちが “アトリエコーナー”で、
スイーツブッフェ以外のブッフェでも提供される、と言うのはもちろん知ってる。
そして、食の一般庶民はブッフェで
“クレミア” などという高貴なものを絶対に食べてはいけない
ことも当たり前のように知っている。
ましてやコーンなんてもっての他だ。
クレミア様はよそでも500円とかで売ってるのだから、
なまじ食べ放題だからとうかつに手を出してわざわざキャパを半減させ、
今ここでしか巡り逢えないかもしれない鈴木シェフの芸術品たちをみすみす逃すなど愚の骨頂だ。
生ぬるくなったグラスショートケーキを死んだ魚の目で口に運ぶことになる。
(※個人の主観です。どこで何を食べようが個人の自由です。)
無花果を愛でる謎の勢力はここにはいなかったみたい。
それより私は杏の謎の勢力を形成したい。
鈴木シェフ、杏フェアの開催どうかご検討ください。
杏1本じゃ弱いなら、無花果と合同でもいいから。
ピスタチオ、色だけ説。
今日で前回の神接客が完全に個体差だったことが判明した。
前回の入口側の席は席数も少なくて目に届きやすいのかもしれない。
それにしてもあのサテンのグレーのパンツスーツの女性の接客は、
サテンのグレーのパンツスーツを着るだけあって素晴らしかった。
サテンのスーツはきっとマネージャーしか着れない。
最低でも何かしらのリーダーじゃなくちゃ。
ブッフェの2時間前くらいに糖質を含むおにぎり等を食べると良い
(たくさん食べられるという意味で)
という扶養家族Aのアドバイスが功を奏したのか、
思ったより食べられてる♪ と思いながら、
更に追い込みをかけようという欲を小脇に挟みながら
トイレ、いやお手洗いに行くと、
個室が3つしかなくて少し待つ。
そしてその待っている間に
何やら堪(こら)えきれないものが沸き上がってきたのだけど、
幸いにもここはトイレ、いやお手洗い、
あと少しだけの辛抱、胸のあたりをなだめつつ
「あなた、できたみたい….」と心の中で3回くらい唱えてみる。
(もちろんできてない。)
堪えきれないものは、無事堪えることができました。
堪える、堪えないの押し問答の中で、
こんなにも命を削っていちごブッフェと相対している自分に感じるものは
やっぱり矛盾しかない。
高いお金を払って
毒でしかない砂糖と脂肪の固まりを自分の身体にぶち込み、
わざわざ気持ち悪くなるという
人間というのは本当に愚かなものだ。
天国なのは最初だけで、
後ずっと地獄。。。
「はぁ~もうお腹いっぱい」と言う母に
「ブッフェ台見てきたら?」と言うと、
それまで私が持ってきたものを差し出されるままに
ただただ半分ずつ食べてきた母が、
ここで初めてブッフェ台に向かう。
その時にお皿を持っていったのも少し意外だったが、
持ってきたものは品数もヘビーさも私の想定を大幅に超えていたものの、
そのうちの2品は私が「母が取りそう」と予想していたものだった。
(モンブランと寒天、偶然にも「ん」が2つずつ入ってる)
・・・・・・・・。
それからの記憶がないんですけど、
気でも失ってたんでしょうか?
とりあえず、(色んな意味で)満喫はしました。
その後、
チョコレートブッフェの予約を死守する理由を探し続け、
理由は見つからないままチョコブッフェは行った。
それはまた、別のお話。
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